「最後は笑って終わりたい」吉見投手コーチの決意 プレミア12で見えた収穫と課題

2024.12.23

井端弘和監督が率いる野球日本代表「侍ジャパン」は11月に行われた「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」(以下プレミア12)の決勝でチャイニーズ・タイペイに敗れて準優勝に終わった。吉見一起投手コーチは大会で見えた課題と収穫を振り返り、2026年の第6回ワールド・ベースボール・クラシックCLASSIC(WBC)を見据えながら、来年3月に臨む強化試合「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vsオランダ」の重要性を語った。

写真提供=Full-Count

準優勝のプレミア12は「負けたので余計に後悔は強い」

井端弘和監督が率いる野球日本代表「侍ジャパン」は11月に行われた「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」(以下プレミア12)の決勝でチャイニーズ・タイペイに敗れて準優勝に終わった。吉見一起投手コーチは大会で見えた課題と収穫を振り返り、2026年の第6回ワールド・ベースボール・クラシックCLASSIC™(WBC)を見据えながら、来年3月に臨む強化試合「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vsオランダ」の重要性を語った。

投手陣は全13選手がいずれも20代。そのうち代表初選出が6人というフレッシュなメンバーで挑んだプレミア12。2024年シーズンの疲労も残る中、若い投手たちは慣れない国際大会で必死に腕を振った。

「自分の中に『これでいこう』という形があったんですけど、うまくいかずに、それでも応えてくれた選手たちというのが自分の中で収穫というか、選手たちも収穫だったんじゃないかなと思います」

ブルペンの作り方で感じた課題「多少、無理をしてもらった」

吉見コーチは自身のプランに順応した選手の姿に頼もしさを覚え、そしてそれは選手にとっても大きな経験になったはずだと確信している。ただ、その一方で課題も口にした。

「ブルペンでの作り方ですね。そこは多少、無理をしてもらったところもあるので、課題かなと。(決勝戦で)負けてしまったので余計に後悔は強いんですけど、自分の中ではいろいろなパターンを持っていた。自分を信じたパターンでいったんですけど、『ああしていればどうだったんだろう……』という後悔はあります」

自身の起用法が果たして“正解”だったのか、自問自答の日々は続いている。「自分で決めたことなのですが、自分の中でもう少し上手に回せたんじゃないかな、というのは課題として残りました」と反省点を述べた。

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国際大会を見据え、NPBでのピッチクロック導入に期待

国際大会の“ルール”もこれから乗り越えていくべき壁となっている。プレミア12では走者がいない場面に限り、20秒のピッチクロックが採用されていた。吉見コーチは「練習では大丈夫だったけど、いざ試合で相手バッターが入った時は違いました。台湾ラウンドでは比較的うまくいったんですけど、日本に帰ってきてからですね。リズムを崩した投手もいました」と語った。

2026年のWBCでは走者の有無に関わらず、ピッチクロックが採用される見込みだ。それだけに「日本のプロ野球でも早く採り入れてもらいたいですね。実際に経験してみて、早急に対応してほしいと思いました」と、NPBでの早期導入も求めた。

侍ジャパンとしては、まずは来年3月5、6日に京セラドーム大阪でオランダ代表との強化試合に臨む。レギュラーシーズン前の難しい時期ではあるが「まずは、しっかり2026年WBCを睨んで、というところになる。今回(プレミア12)は基本的に若い選手を選出したんですけど、新しい人を選んでみたいなと。プレミア12に入った人以外にですね。そういうものを発掘できればいいかなと」し、さらなる新戦力招集への可能性を示唆した。

WBC開催1年前の来年3月にオランダとの強化試合を実施

すべては2026年WBCで世界一連覇を目指す道につながっている。また、オランダ戦はWBC開催1年前の貴重な見極めの場にもなる。

プレミア12の決勝戦後には、歓喜に沸くチャイニーズ・タイペイの姿を選手もコーチも目に焼き付けた。「やはり最後は笑って終わりたいと思ったはずなので。僕たちもスタッフもそうですが。今回のプレミア12でいろいろな課題も出ました。それを克服して次に向かっていかないといけない」。吉見コーチが言葉に力を込めた。

もう敗戦を味わうつもりはない。視線は世界一へと向けられている。

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