公開日:2024/12/23 10:30 更新日:2024/12/23 10:30
最初に吹っ掛けた国民民主、譲る気なしの日本維新の会(C)日刊ゲンダイ
拡大する
醜い争いである。
国民民主党と日本維新の会が政府・与党との政策協議を巡って、互いにディスり合いだ。国民民主は、所得税の課税最低ライン「103万円の壁」の見直し交渉で自公と決裂。来年度の与党税制改正大綱に「123万円」への引き上げが盛り込まれたが、なお、3党協議で従来から主張している「178万円」を目指している。一方の維新は、所得制限なしの高校授業料無償化を巡って与党と協議。どちらが、果実をもぎ取れるか──、バトルになっているのだ。
最初に吹っ掛けたのは、国民民主の玉木代表(役職停止中)。自公との交渉が決裂した翌18日、X(旧ツイッター)で「(財務省は)予算に対する影響が最も『安上がり』の政党と握る」「最近の維新幹部の発言を聞いていると、維新と握る算段がついたということなのでしょうか」と疑いの目を向けた。 「国民民主の『178万円』を実現した場合、政府は、税収が7兆~8兆円減ると試算している。他方、維新の『高校無償化』の財源は約6000億円。玉木さんは、自公との決裂の原因は与党が『安上がり』な維新と握ったせいだ、と皮肉ったわけです」(永田町関係者)
Page 2
公開日:2024/12/23 10:30 更新日:2024/12/23 10:30
最初に吹っ掛けた国民民主、譲る気なしの日本維新の会(C)日刊ゲンダイ
拡大する
これに、維新の吉村代表が反応。20日に「維新のせいで協議決裂、みたいなのは控えていただきたい。そんな密約もありません」と玉木氏の投稿を批判してみせた。さらに、Xで「一緒に178万円目指してやろう、というなら、協議しましょう」とも呼びかけ。国民民主側に手を差し伸べるような柔軟な態度に見えるが、どうやら本音は違うようだ。
■橋下元大阪市長まで乱入
「維新創設者の橋下元大阪市長のXの書き込みに、真意がにじみ出ています。『維新が本予算に賛成すれば国民民主の主張は吹っ飛ぶ』『維新の出方次第では国民民主の主張を潰すことができることを国民民主に認識させるべき』と、かなりケンカ腰。維新は来夏の参院選1人区で野党一本化のため『予備選を実施すべき』と訴えているが、玉木さんは否定的で、それが気に入らないようです。橋下さんの言いなりの吉村さんが国民民主に譲歩するとは思えない」(維新関係者)
橋下氏はXで都議会自民党によるパーティー収入の裏金疑惑にも触れ「こりゃ、来年7月の都議会議員選挙は石丸(前安芸高田市長)新党にやられるな」と投稿。わざわざ石丸氏に言及したのは「連携を視野に入れているからに違いない」(同前)という。
Page 3
公開日:2024/12/23 10:30 更新日:2024/12/23 10:30
最初に吹っ掛けた国民民主、譲る気なしの日本維新の会(C)日刊ゲンダイ
拡大する
「石丸さんについては、玉木さんもネット動画で対談するなど連携を模索しています。石丸さんは何かと目立つ存在ですから、国民民主より先に維新側に引っ張ってしまいたいと考えているのでしょう」(同前)
醜悪な“ゆ党”間のバトルに、自民党はニンマリだろう。
「少数与党の自民にとって最も避けたい事態は、野党が団結することです。来年の通常国会で国民民主か維新のいずれかに予算案に賛成してもらえなければ、たちまち立ち往生ですから。双方に“ニンジン”をぶら下げて、いがみ合ってもらう展開がベストというわけです」(官邸事情通) 来夏の参院選に向けて実績が欲しい両党は、まんまと策に踊らされているということか。情けない話である。 ◇ ◇ ◇
12月4日付で国民民主党から役職停止処分を受けた玉木雄一郎氏の民放をハシゴする「露出」を巡ってネット上では賛否が飛び交っている。●関連記事『【もっと読む】国民民主党・玉木雄一郎氏が役職停止処分中なのに露出増で賛否…週末はテレビ番組をハシゴ』で詳報している。