◆バドミントン 全日本総合選手権 第1日(25日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ)
各種目予選が行われ、女子ダブルスは、今秋に結成した福島由紀(岐阜Bluvic)、松本麻佑(ほねごり)組が、本戦に進出した。渡辺楠礼帆(小国高教職員)、増永優香(西原村教育委員会)組をストレートで下した。福島は「(予選は)久しぶりでしたが、新鮮ではありました。初めての試合なので、しっかり体を動かして体育館の感覚もつかみながらイメージしてやれました」と、充実の汗をぬぐった。
“元世界ランキング1位”同士の新ペアが圧倒した。第1ゲーム(G)で前衛の松本の強打から出だしは12連続得点。2人の間に打たれた打球も声を掛け合い、21―8で先取。第2Gもラリーから後衛の福島の絶妙なドロップショットが決まるなど21―9で倒した。赤の“クリスマスネイル”を施した松本は「プレッシャーはなく打ち込めている」と笑顔。福島も「ネイルかわいい!」と相方を褒めつつ、「まだ2人の“らしさ”はないけど、どういうプレーができるのか、楽しみながらできている」とうなずいた。
31歳の福島は広田彩花と“フクヒロ”ペアを組み、世界選手権で3度の銀メダル。18年~19年、20年~21年に世界ランキング1位に君臨した。ランキング1位で迎えた21年東京五輪は直前に、広田が右膝を負傷した影響もあり、準々決勝敗退。パリ五輪には出場がかなわなかった。9月にペアを解消した。
一方の29歳の松本は、永原和可那と“ナガマツ”ペアを組み、18年、19年に世界選手権2連覇。19年4月には同1位にも立った。東京五輪で8強入りし、今夏のパリ五輪にも出場した。永原がパリ大会後に今シーズンが終了する来年3月で現役引退することを決めた。松本は現役を続行し、9月末に福島と新ペアを結成することを電撃発表した。
“フクマツ”ペアは、11月の熊本マスターズから参戦し、いきなり準優勝。今大会に向けては、松本が約2週間、福島の拠点の岐阜に出向き、連携などを調整してきた。まずは今大会で2位以上の日本代表入りを目指す。その上で福島が前のペアで17年、18年に2連覇など4度の優勝。松本は19年に一度、制している特別な舞台。松本も「違うペアでも取れた時におのおのの強さが証明されると思うので、狙っていきたい」。混合ダブルスと2種目に出る福島も「私の中ではチャレンジ」と腕をまくった。実力者同士のペアが、タイトルを虎視眈々(たんたん)と狙っていく。